今回は歌の「練習方法(メソッド)」、に触れて記事を書きたいと思います。

ボイストレーニングという分野においては、数多くの練習方法が存在します。例えばれみぼいすでも、声帯閉鎖の感覚を掴むために「ンッンッ」などの練習方法を紹介しております。

メソッドというのは、専門知識を分解し、単純なものに代えることによって、誰でも専門知識を知らなくとも上達することができるという大変素晴らしいものです。

しかしその反面、メソッドには大きな落とし穴があります。

メソッドの落とし穴

メソッドは、時に考える力を奪ってしまいます!

例えば、Aさんは裏声での声帯閉鎖を身につけたいと思い、ネットで調べていると、れみぼいすの記事を見つけました。そこで「ンッンッ」という練習方法を知りました。Aさんは、声帯閉鎖を掴もうと、「ンッンッ」という練習を繰り返し行いました。

さて、一見普通のように見える流れですが、ここで問題なのは、「ンッンッ」という行為を繰り返していれば声帯閉鎖が勝手に身につくと思ってしまうことがある、という点です。

発声は、自分の発声器官と向き合い、試行錯誤を繰り返していかなければ上達しません。そこには、「考える」という行為が必要不可欠です。

しかし、メソッドは「それさえやっていれば良い」という解釈を生んでしまいがちで、「頭で考えて試行錯誤する」という、上達において最も大事な部分を忘れてしまいかねないという落とし穴があります。

声帯閉鎖を掴むには「ンッンッ」が良いという単純な問題ではありません。「どうすれば裏声で声帯を閉鎖できるのか」を頭でしっかりと考えた上でメソッドを活用することで、初めて効果があらわれることでしょう。

発声は逆立ちと同じ!

発声は逆立ちに似ているものがあります。

逆立ちは、逆さまになって手のひらで立つだけなので見た目は簡単ですが、実は腕の筋力はもちろん、本人にしかわからない微妙なバランス感覚が必要です。これは自ら試行錯誤を繰り返し体得するしかありません。熟練者が初心者に逆立ちの方法を教えたところで、すぐにできるようにはなりません。

発声も同じで、例えば高音発声のための微妙なバランス感覚は、いくらわかりやすく説明しようが、すぐに身につくものではありません。また、発声原理について勉強することも、上達には多少役に立つ事はあるかもしれませんが、やはりいちばんの宝物になるのは、自分で練習して身につけた「バランス感覚」にほかなりません。

れみぼいす読者の皆様には是非そのバランス感覚を身に着けていただければと思います。そのためにメソッドを使ってください。自ら考え、試行錯誤して得たバランス感覚こそが、歌手の力として明確に現れる差であり、一番の宝物となるはずです。

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