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高音発声においてなぜ喉仏が上がるといけないと言われているのか

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2013年4月16日

高音発声においてなぜ喉仏が上がるといけないと言われているのか

ボイストレーニングをしていると、「高音はなるべく喉仏上げないように発声しろ」という言葉をよく耳にすると思います。

しかし現状は、高音発声において全く上げずに発声するというのは不可能であり、それを問いただすと、「少しは上がっても構わない、固めてしまう事がだめなのだ」という答えが返ってきます。また、プロの歌手は喉仏が上がっていると問いただすと、「表現によってあえて喉仏をあげている」といった答えが返ってきます。

何かこの回答に違和感を感じる方もいらっしゃると思います。

喉仏を下げろと言っておきながら、最終的には上がっても良いという曖昧な回答になっていますし、なぜ喉仏が上がってしまうのか、なぜ喉仏が上がるといけないのかという解説もないからです。

本記事では、発声原理的観点からその辺りを解説していきたいと思います。

喉仏が上がる原因

喉頭を取り巻く筋肉は沢山ありますが、高音を発声しようとすると必ず働く筋肉があります。茶色の矢印です。

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まずひとつはおなじみ輪状甲状筋です。真ん中の甲状軟骨と下の輪状軟骨を結ぶ筋肉です。

この筋肉が収縮することによって輪状軟骨と甲状軟骨が引き合い、赤矢印のような運動が加えられます。披裂軟骨という青三角で描かれた場所が後ろに引っ張られることによって、声帯が伸ばされ、声が高くなります。

しかし、それと同時に働く筋肉があります。それが甲状舌骨筋という、甲状軟骨と、上の舌骨を結ぶ筋肉です。甲状舌骨筋のあたりを指でつまみながら声を高くしていくとわかるのですが、声が高くなるにつれ甲状舌骨筋が収縮していき、甲状軟骨と舌骨の間が狭まる様子がわかるはずです。

これが喉仏が上がる原因です。甲状舌骨筋を収縮させずに高音を発声することは不可能です。

喉仏が上がる事による弊害

甲状舌骨筋の働きにより、喉仏が上がるということはわかったかと思います。これはごく自然な原理です。ただし、これにより起こる弊害というものがあります。それが、共鳴腔を潰してしまうということです。

人間の体において、一番の共鳴スポットは3つありますが、その中でも咽頭腔という場所が一番活躍するポイントです。これは、口の奥にあり、舌根(舌の根本)と軟口蓋(のどちんこがついている上顎の柔らかい部分)の間にあります。

この図の、一番右の赤丸です。声は最初にこの部分で共鳴して大きくなるのですが、もし喉仏が上がっていると、舌根も一緒に上がり、共鳴腔が潰れてしまいます。これでは声が十分に共鳴腔でふくらまず、声が平たくなってしまいます。これが苦しそうに聞こえてしまう原因です。

咽頭腔のスペースを確保する

高音を発声する際に、声が平たく潰されないようにするために、咽頭腔のスペースを確保しなければなりません。それが、「喉を開く」という動作になります。

咽頭腔の共鳴スペースが確保できれば、高音発声でもふくらみのある声になります。喉を開くとはすなわち、

  1. 舌根を下げる
  2. 軟口蓋を上げる

この2つの動作の事を指します。

その中でも、舌根を下げることで、連動して喉仏も下がります。これが、喉仏を下げろと言われる理由です。これをメソッドとして昇華させ、単純化した結果、「喉仏の位置をなるべく変えずに高音を発声しろ」という話になったわけです。

これまでをまとめると、

  1. 高音発声において喉仏が上がるのは当然
  2. 喉仏が上がると連動して咽頭腔が潰され、声が平たくなる
  3. 高音で声を平たくつぶさないために、喉を開いて咽頭腔のスペースを確保する
  4. 舌根を下げることで、喉仏の位置も下がる
  5. いつしか単純化され、喉仏の位置を変えずに高音を発声しろと教えられるようになった

ということになります。

喉仏が上がるのは必然、喉仏を下げるのは任意

ここからは歌においてのスタイルの話になります。実戦の歌では、表現したいものによって、苦しそうな声からふくらみのある声まで、自由に声質を決めて出す事が求められます。その中でも高音発声においては、

喉仏が上がってしまうのは発声原理上必然であるということ、そして逆に、どの程度咽頭腔のスペースを確保し、声にふくらみを持たせるかは自由だということ

ここに注目していただきたく思います。

一番よろしくないパターンは、喉の開き具合の調整ができず、常に平たい高音しか出せない状態です。これは適切なボイストレーニングを行うことで、改善できます。

喉仏が上がってしまう原因、下げて歌えと言われる原因が理解できたでしょうか。参考にしていただければ幸いです。


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