外喉頭筋とは、喉頭の周りに存在する筋群で、これらが喉頭を上に引っ張ったり下に引っ張ったりします。

外喉頭筋を鍛える事は、

  1. 喉絞め発声を改善できる
  2. 色々な種類の声(オペラのような声から喉が絞まった声まで)を出せるようになる

といったメリットがあります。

目次

5種類の外喉頭筋

下手な絵ですみません。
外喉頭筋群には、5種類の筋肉が含まれます。少し難しい話になりますが、とても重要なので理解していただければと思います。

  • ① 胸骨甲状筋
  • ② 甲状舌骨筋
  • ③ 口蓋喉頭筋
  • ③ 茎状咽頭筋
  • ④ 輪状咽頭筋

この中で、喉頭を上に引っ張る働きをするものは、②と③です。これらは別名、引き上げ筋と呼ばれる事もあります。

引き上げ筋に対し、喉頭を下に引っ張る筋肉(引き下げ筋)は、①と④です。

数字の順にそれぞれの筋肉の解説をします。

① 胸骨甲状筋

①の矢印の筋肉は、胸骨甲状筋(きょうこつこうじょうきん)といいます。

喉頭を前下方に引っ張る働きを持っています。

この筋肉が働くと、高音でも喉仏が上がらなくなります。

② 甲状舌骨筋

喉仏の上に凹んだ部分があり、そこに喉頭を上に引き上げる筋肉があります。

この筋肉は、甲状舌骨筋(こうじょうぜっこつきん)といいます。

適切にボイストレーニングをしないと、高音発声時にこの筋肉しか働かず、喉頭が上がり苦しそうな声になります。

③口蓋喉頭筋、茎状咽頭筋

ここには、2種類の筋肉があります。 それぞれ、口蓋喉頭筋(こうがいこうとうきん)、茎状咽頭筋(けいじょういんとうきん)と言います。 それぞれ別の筋肉ですが、一緒の方向に引き上げるのでまとめました。

口蓋喉頭筋は、喉頭と軟口蓋(口の奥の、のどちんこがあるやわらかい部分)を結ぶ筋肉です。

茎状咽頭筋は、喉頭から耳の後ろ側へと伸びている筋肉です。

③の方向に引っ張ると、軟口蓋(のどちんこ)が上に引き上げられるので、口の中を見て確認できます。

喉を開く際に、①の胸骨甲状筋と対になって働く事が多いです。

④輪状咽頭筋

この筋肉は、輪状咽頭筋(りんじょういんとうきん)といいます。

輪状軟骨(図の一番下の軟骨)と脊柱(背骨)を結ぶ筋肉です。

歌においてはとても重要な筋肉ですが、普段の会話ではあまり機能しないため、この筋肉に限っては多くの練習が必要です。

同じく喉を開く際に働きます。

※この章は、フレデリック フースラー著「うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ」を参考に作成されましました。