音楽をやるなら、相対音感を鍛えるのは重要です。相対音感とは、一つの音の高さを基準に、もう一つの音の高さを認識する能力です。

例えば、ドの音を予め教えておいてから、ソの音を鳴らしたとします。相対音感を持っている方は、頭の中でドの音から上に数えていく事で、ソの音を答える事ができます。

絶対音感の場合は、ドの音もソの音もいちいち数えなくても確実にわかるのですが、相対音感の場合は、最初からソの音がわかっているわけではなく、基準の音から、音と音の開き具合を認識して他の音を当てるといった感じになります。

この、音と音の開き具合を認識する能力は、音楽にはとても大事な能力になります。絶対音感よりも大事な能力と言っても過言ではありません。ボーカルの場合は、これがなければハモリを入れる事ができません。

練習すれば誰でも身に付ける事ができる能力なので、是非覚えてみましょう。

絶対に押さえておきたい音の開き5つ

まずは2つの音を鳴らして、その音の開き具合を聞いてみましょう。音と音がいくつ離れているかによって、名前がついておりますので、それも一緒に確認していきましょう。

  • 完全八度(オクターブ)
  • 完全五度
  • 完全四度
  • 長三度
  • 短三度

この5つの音の開きだけは、音楽をやるのであれば絶対に押さえておきたいところです。名前に馴染みのない方もいらっしゃるかと思いますので、一つ一つ確認していきましょう。

完全八度(オクターブ)

完全八度は、一番最初に覚える音の開きです。下のドと上のド、すなわち高さの違う同じ音を同時に鳴らした場合、完全八度と呼ばれる音の開きになります。別名オクターブとも呼ばれます。英語ではperfect octiveと呼ばれます。

2つの音を鳴らしても、本当に同時に鳴っているのか聞き分けられない程に調和が取れているかと思います。完全八度というのは、実は音の中では一番似ている音同士です。一番重要なので、まずこの音の開きを頭に叩き込みましょう。

完全五度

次は完全五度です。これは、オクターブの次に調和が取れた音の開きになります。ドを基準にすると、ドとソの音に当たります。英語では、perfect fifthと呼ばれます。

完全五度も、オクターブ同様に、同時に鳴らすととても調和が取れた心地良い響きになります。

完全四度

次は完全四度です。完全八度、完全五度の次に調和が取れた音の開きです。ドを基準にすると、ドとファの音に当たります。英語では、perfect fourthと呼ばれます。

完全五度も完全四度も、和音の構成音自体は同じです。どういう事かと言いますと、例えばドとファ(完全四度)の場合、下のドを一オクターブ上に持ってきて、ファ(低)とド(高)にすると、その開きは完全五度になります。和音の構成音は同じですが、音の開き具合は変化しましたね。今回は和音ではなく、単純に音と音がいくつ離れているかを聞いていくことにします。

完全五度と完全四度の聞き分け方ですが、一番確実なのは実際に数える事です。下の音から上の音まで、音がいくつ離れているかを頭で数えてみましょう。ドを基準にした場合、完全五度の場合は、ド(レミファ)ソと、3つの開きがありますし、完全四度の場合は、ド(レミ)ファと、2つの開きがあります。※厳密には黒鍵(♯や♭)も数えるのが正解ですが、ここではわかりやすくするために省略しています。実際に頭の中で鍵盤を鳴らして、音の開き具合を数えられるようになったら大したものです!

以上、完全八度、完全五度、完全四度は、真っ先に覚えなくてはならない音の開きです。確実に覚えておきましょう。

長三度

お次は長三度です。ドを基準にすると、ドとミの音に当たります。英語ではmajor thirdと呼ばれます。これも重要なのでしっかりと押さえておきましょう。

短三度

最後は短三度です。ドを基準にすると、ドとミ♭の音に当たります。英語ではminor thirdと呼ばれます。長三度に比べて、半音狭い開き具合になります。明るく聞こえる長三度に対して、短三度はちょっぴり暗いかな、という印象があります。

この記事ではコードについては詳しく触れませんが、長三度と短三度は、メジャーコードとマイナーコードを分ける重要な役割を果たします。完全八度や完全五度に比べて優先度は落ちますが、それでも非常に重要な音の開きなので是非覚えておきましょう。

まとめ

相対音感を身につける上で、完全八度、完全五度、完全四度、長三度、短三度は真っ先に覚えるべき音の開きです。音同士を何回も聞いて、頭に叩きこんでみてください。ハモリなどに必ず役立つはずです。