今回はマーケティングの観点から、歌手が生き残るために必要な事を書いていこうと思います。
歌手が生き残るのはとても厳しい
結論から言いますと、歌手というのは生き残るのが非常に厳しい職業です。理由は主に以下の2つになります。
- 競争相手が非常に多い
- 模倣(真似)が容易である
1. 競争相手が非常に多い
声を出せれば誰でも歌を歌えます。よって、歌手業に参入できる人間はかなりの数になります。おまけに元手がかかりにくいというのも競争相手を多くしている要因になりえます。
例えば喫茶店を新しく開業したいとすれば、1000万円以上は軽くかかります。このように参入に至るまでに何らかの障壁があれば競争相手は減るのですが、歌手の場合は非常に低価格で始められるため競争相手が多くなります。これが生き残りを難しくさせています。
2. 模倣(真似)が容易である
歌い方というのは誰もが簡単に真似できてしまいます。例え誰もやっていないようなオリジナルの歌い方を確立したとしても、ライバルに真似されてしまっては優位性はすぐになくなってしまいます。なかなか「その人だけの歌い方」というものがないのが歌です。
以上の事から、歌手が競争相手を出し抜いて生き残っていくのはとても難しいのです。
歌手が生き残るためには何が必要か
競争の激しい場所で生き残るためには、競争で優位に立てるものが必要です。どんなものが挙げられるでしょうか。
- 資金力・コネ・拡散力
- ルックス・声質・得意技
- 多方面の才能
- 社会的地位・ブランド力
1. 資金力・コネ・拡散力
a. 莫大な資金力を持っており広告を沢山打てればそれだけ優位に立てます。テレビCMをガンガン流せる歌手と、ツイッターでしか宣伝できない歌手だったら、当然の事ながら前者の方が競争優位に立てます。
b. 例えば歌手を使う業種の企業と太いパイプを持っており、何かあれば歌手を起用してくれるような場合は、そうでない人に比べて優位に立てます。
c. ツイッターのフォロワーが多い、宣伝に使える魅力的なWebサイトを作れる技術を持っているなど、歌手が何かを売り出す際に拡散できるものや技術があれば競争で優位に立てます。
2. ルックス・声質・得意技
a. どこにでもいそうなルックス、どこにでもいそうな声というのは、いざ競争をした際に埋もれてしまう恐れがあります。これがもし特徴のあるルックスであったり、美人だったりすればそうでない人に比べて優位に立てます。身に付ける衣装というのは、簡単に模倣ができるため継続的に優位性を保つには少し弱いです。
b. もし極端に声が高かったりすれば、同じように声が高い競争相手が激的に減るため優位に立ちやすいです。同じように声が極端に低かったり、ハスキーな声をしていたりすれば自分の優位性を保ちやすくなります。
c. シャウトやホイッスルボイスなど、模倣が困難な得意技を持っている場合も優位に立てます。音程やリズムを合わせるといった事は誰でもできる、いわば当たり前の世界です。今の時代はMIXでピッチやリズムをいじったりもできますので、これだけで歌手が優位に立つ事は難しいです。単純に歌が上手い歌手と、誰も真似できないような得意技を持っていてなおかつ歌が上手い歌手であれば、後者の方が競争で優位に立てます。
歌手単体で見れば、この3つは非常に大きなものになります。
3. 多方面の才能
歌う事だけにとどまらず、楽器を弾いたり、作詞作曲を手がけたり、トークが上手いなど、様々な才能を発揮できる場合は競争優位に立てます。競争相手の模倣が難しくなるだけではなく、単純に活躍の場が広がるため、相乗効果を生み歌手としての仕事が舞い込んできやすくなります。
4. 社会的地位・ブランド力
例えば著名人であるソフトバンクの孫正義社長がCDを出した場合は、歌が上手い下手に関わらず確実に話題になるはずです。しかし無名の人だとそうはいきません。これは、仮に孫社長が歌手業に参入した場合、競争優位に立っていると言えます。
また、過去に何らかの賞を受賞していたり、プロモーション活動により「○○ジャンルの先駆者」といったしっかりとしたブランドを作っている場合は競争優位に立てます。強いブランドを作っている場合は、例え競争相手が模倣してきた場合でも先駆者のコピーなどと言われやすくなります。ブランド力の強い方が勝ちです。
まとめ
歌手として生き残るためには、数ある強豪の中から自分を選んでもらわなければなりません。そのためには他の歌手とは違い、かつ模倣されにくい何らかの優位性を確保しなければなりません。
歌単体で見れば、自分にしかない声の特徴や、真似が難しい特技を確立できれば強いです。ナンバーワンかつオンリーワンを目指しましょう。
また、歌だけだと優位性を保つのが難しいため、トークスキルや、作詞作曲など、プラスαのものを追求するのもありです。
歌手というのは厳しい職業ですが、これから活躍したい方のお役に少しでも立てれば幸いです。