今回は歌唱技術身に付ける際のコツを書いていきます。

  1. 見本としたい歌手をリストアップする
  2. 見本とした歌手の歌い方を徹底的にマネする
  3. 歌い方を組み合わせてオリジナリティを作る

これらの3つのステップがありますので、それぞれ解説していきます。

1. 見本としたい歌手をリストアップする

まずは売れていて、かつ歌唱力で一定の評価を得ている歌手を探します。最初は好きなジャンルで良いですが、最終的には広いジャンルで評価されている歌手を複数人リストアップしていくと良いでしょう。

2. 見本とした歌手の歌い方を徹底的にマネする

見本としたい歌手を見つけたら、その歌手の歌い方を何から何まで徹底的にマネしていきます。これをどこまで細かくマネできるかで、その人の上達具合が決まります。

ここが注意点なのですが、この段階では自分の感性やプライドを一切捨てて、他人の歌い方を徹底的に真似る事が大事です。

例えば「この歌手のこの部分の歌い方は嫌いだ」などという感性があったとするならば、これは上達の大きな妨げになります。なぜなら自分が嫌だと思っていても、他人からしてみれば好きな歌い方なのかもしれないからです。

歌唱力が評価されている歌手というのは、そのままの歌い方だからこそ評価されているのです。実はその通りに歌えばあなたも上手いと評価されるようになります。しかし、自分の中に凝り固まった考えがあり、歌い方を自分なりに変えてしまうと、とたんに上手くいかなくなる事がよくあります。

見本とした歌手の歌い方を教科書だと認識し、完璧に真似る事が、歌唱力を引き上げる事で何よりも大事な要素です。

真似る事ができる要素としては、

  • 息の強さ
  • 声帯の閉じ具合
  • 喉の開き具合
  • 口の開き具合
  • ブレスポイント
  • 音の切り方
  • ビブラートのかけ時、スピード、振幅の深さ
  • しゃくりやフェイクなどの歌唱テクニック
  • 感情
  • マイク音量の大きさ、エフェクトなどの調整

などがあります。歌い方に関してはフレーズ間で瞬時に変わっていきますので、よく歌を聞いて分析していく事が大事です。それと同時に、基礎の発声練習を積んで、真似できる声のバリエーションを増やす事も大事です。

また、見本としている歌手との音域の差だけはどうしようもないので、カラオケで、その歌手と自分のキーを合わせて練習することをオススメします。完璧に真似できたときに、なぜその歌手が上手いと言われているのか、その理由がわかるかもしれません。

一つできたら、今度は違う歌手を見本にして同じ事を繰り返していきます。

3. 歌い方を組み合わせてオリジナリティを作る

このままだとただのモノマネになってしまうので、ある程度の歌手を真似できたら、自分のオリジナリティを作る段階に入ります。とは言っても、勝手に自分の中で考えたオリジナリティを加えてしまうと、とたんに変な歌い方になってしまいます。

実は歌にオリジナリティを追求するというのは、かなり危険な行為なのです。

歌は、声が出せる人であれば全員ができる行為といえます。一体過去に何人の人が歌ったことでしょうか。ほぼすべての発声や歌い方は、過去に出尽くしたと見るのが正しいでしょう。

その中で、評価される歌い方が発見され、継承されてきました。つまり本当の意味でのオリジナリティを加えるというのは、「歌唱力が評価されている歌手の歌い方を、自分なりに組み合わせる行為」に過ぎません。そうやって自分の中の歌唱ルールを作っていきます。

評価されない歌い方を取り入れた場合、あなたも評価されなくなる可能性が高くなります。オリジナリティの意味を履き違えてしまわないように注意しましょう。

自分が本当にしたい歌い方と、周りから評価される歌い方は必ずしも一致しません。上手いと言われたい、人を感動させる歌を歌いたいのであれば、自分の物差しで歌い方を決めないようにすることが大事です。

まとめ

今回は歌唱技術を身に付ける際のコツを書きました。そのステップとは、 

  • 見本としたい歌手をリストアップする
  • 見本とした歌手の歌い方を徹底的にマネする
  • 歌い方を組み合わせてオリジナリティを作る

というものでした。

何よりも大事なのは、教科書とする歌手を探し続けるという事と、素直さを持って何から何まで徹底的に真似していくという事になります。それができたら、歌い方を組み合わせてオリジナリティを出していきます。

自分の考えを捨てて、素直に歌手の歌い方を真似できる歌手は、上達が速いです。その事を肝に銘じて練習に励んでいただけたらと思います。