歌の練習をする上で一番困る時は、これからどこを練習していけば良いのかわからなくなった時です。

例えば音をもっと正確に取れるようにしたい、ビブラートを習得したいなど、 ある程度目標が明確であるうちはまだ良いのですが、それらがひと通りできるようになったときに、これ以降どこを練習すれば上達するのかわからなくなる時があります。

このような状態のまま歌の練習をしても、曖昧な練習になってしまい、いまいち効果が現れません。

もう一つ困ることは、課題が山積みであり、どこから手を付けて良いのかわからないときです。この場合はある程度練習項目を絞る必要が出てきます。

そこで、効果的に歌を上達させるために、PDCAサイクルを導入してみましょう。

PDCAサイクルとは、マネジメントや業務改善などに使われるサイクルの一つです。 この概念の用途はビジネス上のみとは限らず、 歌の練習にも適応することができます。

目次

歌で大事なPDCAサイクルとは

PDCAサイクルは、以下の4つの段階からなります。これらを循環する事で効率良く歌の練習を進める事ができます。

  1. Plan (計画)
  2. Do (実行)
  3. Check (点検)
  4. Act (改善)

歌が上手くなりたいA氏を例に解説していきます。

1. Plan (計画)

Planとは、「計画を練る事」です。現在の問題点、将来のゴールを元に、これからの計画を立てます。

例: A氏は自身の歌を分析し、以下のような目標を立てた。

  • A氏は自身の歌を「単調でつまらない」と認識している。(問題点)
  • そこで、1ヶ月以内にビブラート習得を目指すことに決めた。(目標)
  • ビブラートを習得すれば歌のバリエーションが増えると認識している。(理由)
  • A氏は毎日10分間、声を上下に揺らす練習をしてみることに決めた。(練習計画)

さて、目標設定に行き詰った時は以下の2点に注目してみます。

  1. 自分の歌をよく分析する
  2. 他人の歌をよく分析する

自分の歌をよく聞くと、弱い部分が明確になることがあります。また、他人の歌をよく聞くことで、今まで知らなかった技術に気付くことがあります。

達成した時にわくわくするような目標がないとモチベーションが保てないので非常に重要な項目です。

2. Do (実行)

Doとは、「実行する事」です。Planの段階で決めた計画を実行します。

計画通りに事が進むかどうかは、正直実際にやってみなければわかりません。

例: A氏は、「毎日10分間、声を上下に揺らす」という練習を2週間行った。

3. Check (点検)

Checkとは、「点検する事」です。

計画通りに物事が進んでいるかを点検し、問題がある場合はまとめていきます。

例: A氏はビブラートの練習を2週間行ったが、リズムがバラバラになってしまうことを認識した。

だいたいの計画はそのままいくわけではありません。これは当たり前のことです。

大事なのは、どのような問題が発生しているのかを洗い出し、把握することです。

4. Act (改善)

Actとは、「改善する事」です。 計画を変更すべきかどうかを考えます。

変更する場合、どのように変更すべきかを考えます。

例: A氏は、メトロノームを使った練習方法に変えた。

再びPlan (計画)へ

Actを辿った後は、再びPlanに戻ります。 今度は、Actでまとめた情報を元に、最初の計画を修正します。修正がない場合はそのままDoへ進みます。

例: A氏は、計画を以下のように変更した。

  • A氏は自身の歌を「単調でつまらない」と認識している。(問題点)
  • 1ヶ月以内にビブラート習得を目指す。(目標)
  • ビブラートを習得すれば歌のバリエーションが増えると認識している。(理由)
  • 毎日10分、メトロノームを使ったビブラートの練習をする。

このままDoに移り、サイクルを循環させていきます。

目標もないまま闇雲に歌を練習しようとしても、時間だけを無駄に浪費してしまうことになります。

PDCAを意識し、ある程度の計画性を持って歌の練習を行うようにしましょう。