続いて声帯の閉鎖に関係する、「閉鎖筋」について解説していきます。
目次
3つの閉鎖筋
声帯の閉鎖には、主に3つの筋肉が関係しております。
- 側筋
- 横筋
- 交錯筋
①側筋
声帯の後ろについている「披裂軟骨(図の青い部分)」を外側に回転させる働きを持つ筋肉です。
披裂軟骨が回転することにより、少し声帯が近づきます。
多くの隙間が残るので、息漏れした声になります。
②横筋
披裂軟骨の後についている筋肉です。
披裂軟骨そのものを近づける働きを持ちます。
側筋+横筋が働くと、より声帯は近づき、振動を増すようになります。
普段の話し声のような発声になります。
③交錯筋
声帯の横に、交わるようについているのが交錯筋です。
側筋+横筋+交錯筋が働くことにより、声帯を完全に閉鎖することができます。
閉鎖具合を調節して、パワフルな声のみならず、詰まったような声なども自在に出せるようになります。
声帯の閉鎖加減
大まかに5段階に分類しました。
1. 息のみ
発声せず、呼吸のみをしている状態です。
声帯は完全に開いておりますので、息が通っても振動しません。
2. 息漏れ声(側筋緊張状態)
側筋を緊張させ、少しだけ声帯を閉鎖させると、息漏れ声になります。
ため息のような、感情的な声に聞こえます。
息を消費するので長いフレーズは歌えません。
3. 話し声(側筋+横筋緊張状態)
側筋+横筋を緊張させ、声帯を閉じると、息漏れがなくなります(厳密には真ん中に若干の隙間が残ります)。
裏声では、ヘッドボイスの発声となります。
4. 詰まった声(側筋+横筋+交錯筋緊張状態)
話し声から更に閉鎖を強くすると、詰まった声になります。 裏声では、ミドルボイスの発声になります。
5. 息が止まる
詰まった声から更に閉鎖すると、息が通らなくなります。