ここでは声が出るまでに体でどのような動作が行われるかを解説していきます。

目次

4つの発声手順

発声は大まかに分けて、4つの作業により成り立っています。

  1. 息の送り出し
  2. 声帯の振動
  3. 共鳴
  4. 言葉の形成

順々に解説していきます。

1. 息の送り出し

息を吸うと、肺が膨らみ、空気を溜め込みます。

膨らんだ肺が収縮することにより、息が送り出されます。

2. 声帯の振動

送り出された息は、声帯を通過します。 息が通ると、声帯が振動して音になります。

声帯は、喉の中にある2本の帯です。 普段息をしているときは開いており、声を出そうとすると閉じて振動します。 開いているときは振動せず、閉じているときだけ振動して声になります。

カメラで声帯の様子を撮影している動画がありますので見てみてください。
(体内の映像が嫌な人は見ないようにしてください)

3. 共鳴

声帯の振動音が、体内にある空洞部分で反響して大きな音になります。

体の中にある空洞部分の事を、共鳴腔(きょうめいくう)と呼びます。

主な共鳴腔は、口の奥である咽頭腔(いんとうくう)、鼻の中にある空洞部分である鼻腔(びくう)や、 口の中にある空洞部分である口腔(こうくう)が挙げられます。

共鳴腔については、次のページで詳しく解説します。

4. 言葉の形成

共鳴腔で大きくなった音に、口や舌の形を加える事により言葉が形成されます。 日本語の場合は、子音と母音が合わさって作られます。

子音は、「k・g、s・z、t・d、b・p、m・n」などです。舌、歯、唇、顎、鼻などを使って音が作られます。 母音は、「あ・い・う・え・お」です。口の形を変えて音が作られます。

例えば「ま」という音の場合は、子音の「m」と、母音の「あ」が組み合わさって音が作られます。

私たちは何気なく声を出していますが、声は4つのステップを辿って作られている事がわかります。 ステップのどれかが欠けると、決して良い声は作られません。